12.道具の使い方のコツ(その3)

Homeに戻る

12-4 のこぎりの使い方

日本ののこぎりは引いて切る。しかし、世界には押して切るのこぎりもある。私の持っているフレットも溝を切るのこぎりは、押して切るタイプだ。これは使う時に意識しておいた方がよい。

切り始めは、ぶれがちだ。左手の親指の爪とかをのこぎりの側面に当てて、切る方向とは逆に、つまり日本ののこぎりならば、押す方向に何度かのこぎりを動かし、軽く溝を作ると、あとが操作がしやすくなる。はじめに切る方向と逆に動かすのは、抵抗が少ないからだ。切る方向はそれだけ抵抗も大きいので、ぶれがちになる。まず、ぶれないように、抵抗が少ない方向で動かし、軽く溝ができたら、切る方向に力を軽く加え、しっかりと切り始める。

ただ切ればいいだけならば片手で持って切ってもいいが、正確に切りたいとき片手では無理である。両手で持って、頭の真下、視線の真下にのこぎりがまっすぐになるようにして、切るために引いた線とのこぎりがまっすぐ一直線になるように確認しながら、一定のリズムで、長いストロークで切る。なるべくのこぎりの柄の刃から遠い側をもって引く。図4のAの部分でのずれ幅と図3のBの部分でのずれ幅は同じであるが、図の4のほうが結果としてより大きな角度でずれてしまう。

切り始めは図のCの部分がずれないようにCの部分を見る。切り始めたら、ついついその切っている部分を見がちであるが、良くない。Dの部分を見るべきである。また、のこぎりの刃と材に書いた線を真上からではなく、斜め横から見がちである。その方が見やすいのは確かであるが、こうすると刃が斜めになってしまう。なので、見にくいのはわかるが、真上から見るべきである。斜めから見るのは刃を動かしていないときにすべきである。

のこぎりを使う時、何らかの台に乗せて切る。台をどう置くか。図5のAは絶対にダメである。切り始めはこれでも構わない。図5のB。しかし切り進めていくと図5のCのようになり、のこぎりの刃を横から強く木が押さえつけることになる。よって、切れなくなる。

なので、図6のようにする。こうすれば、切り進めていってものこぎりの刃を木材が横から押さえつけることもない。

12-5 回転する工具、ジグソーなども

電動ドライバー、インパクトドライバーなどねじ回しは、ねじとビット(ねじ回しの先端)をしっかりとくっつけてから回転を始める。

しかし多くの回転する工具の使い方は異なる。しっかりと回転してから、加工する対象物に触れていく。触れた瞬間とても大きな力が対象物にかかる。だから対象物はしっかりと固定されている必要がある。ドリルを回転しない状態で対象物にあてるのは、基本的には避けるべきである。回転が安定してから静かに対象物にあてる。対象物にあててからドリル刃を回転させると、その力に負けて対象物が大きく破損したり飛ばされたりする。一般的には電動の工具は、しっかりと動き始めてから、対象物にあてる。そういう意味では、電動ドライバーはもっともよく使う工具のひとつであるが、例外的に、動いていない状態で対象物に触れる工具である。


12-5-1 電動ドライバー

ビットを取り付ける時、ビットのはまる部分の枠を飛び出す方向に引っ張っていれる。外すときも同様。説明書には必ず書いているが、これを知らずに作業する人を見かけることがある。ネット上の動画でもそういうのを見たことがあり、びっくりしたことがある。危ない。

電動ドライバーでもドライバーなので、12-3で述べたことは当てはまる。ビットは長い方がよい。とはいっても、作業スペースに制限があることはよくあることなので、それに合わせて短いビットも必要である。まあ、標準的な長さがやはり最も需要があり便利だろう。

電動ドライバーは普通のドライバーよりも、電気的な力と速さがあるため、よりねじの頭をなめやすい。ねじの頭がばかになりやすい。12-3で述べた通り、角度などをよく考えて使うべきである。さらに、まっすぐ力を加えるために、右利きならば、右手でハンドルを握り人差し指でレバーを握るが、さらに左手でドライバー本体をまっすぐ上から力のかかるべき方向に押さえつけるのがよい。しっかりと押さえつけ、ビットからねじに力が叱りと伝わるようにしながら作業するのがよい。決してねじの上でビットが空回りしないように気を付ける。

また取り外すときこそ、しっかりと上から押さえつけておくことが必要である。電動ドライバーの力は強い。手で押さえつけてもねじは逆回転すれば浮き出てくる。扱いなれていない人は、取り外すとき、上からの押さえつけが弱く、ねじの頭をなめてしまいがちだ。取り外すときこと、取り外しの最初こそ、本当にしっかりと上から押さえつけ、ねじとビットがしっかりとくっつき、力が伝わるようにしないといけない。



12-6 トリマー

エレキギター作りでは欠かせない。アコースティックギター作りでも、いろんなところで重宝する。一定の深さでいろんな形を彫りたいときに便利である。それ以外にもいろいろ便利である。

一度に深く彫ろうとすると失敗しやすい。またビットに負担がかかりすぎる。あるいは、摩擦熱で焦げてしまう。一回であまり深くは彫らず、何度も少しずつ彫り進めていくのがよい。

一定の深さで一定の面積を彫るとき、面白がってやみくもに彫ってはいけない。

一定の深さで彫るためには、基準となる水平面が必要であり、そこに常にベースプレートがしっかり触れていないといけない。しかし、やみくもに彫ると基準となる水平面がなくなってしまい、広い面積を一定に深さで彫ることができなくなってしまう。なので、基準となる水平面をうまく残しながら彫ることが必要になる。

図7のBの点線の部分を彫りたいとする。Cのようにしたい。彫り始めはDのようである。彫り進め、Eのようになる。さらに彫り進めるとFのようになる。すると基準となる水平面の一部がなくなることで、結局Gのようになり、それ以上、上手く彫り進めることができなくなる。Hのようになると、次はIのようになってしまう。うまく彫ることはできない。ではどうすればいいか。うまく、水平面をわざと残すのである。Jのようにするのである。そして、のちにノミとかヤスリとかを使いKのようにするのである。

自作ギターなど手作り大好きキホーテの部屋

自作ギター、手作りウクレレ、電子回路、ミキサー、Arduinoを使った時計、木工などいろいろ、作ったり、直したり。道具の使い方も。ギター作りなど、手作り大好きキホーテの発想と失敗と反省と教訓と喜びなどの記録。