11. 道具・工具について

Homeに戻る

以前にクラシックギター工房を訪ねたことがある。そこでまず目に留まったのが、たくさんのバイス・クランプだった。

ギターはどうやってできるか? いろいろな材料をそれなりの形にする。それを組み立てる。具体的には張り付けることがほとんどである。そしてまた形を整える。つまり、切ったり削ったり、と、くっつける、ことがメインである。くっつけるのは接着剤を使う。そしてこれを固定することが必要だ。つまり、固定する道具なしにはギターはできない。

F型クランプ(L型ということもある)

 私がギターを作ってみようと決心した一番の理由は、100円ショップで、F型クランプを見つけたからである。C型クランプにしろ、F型クランプにしろ、それなりの値段がする。ギター作りにはたくさんのクランプが必要だ。クランプをたくさん手に入れるにはお金がかかる。私はその時点で、ギター作りは困難だと思っていた。しかし、である。F型クランプが100円で手に入る!うれしくなって、その店にあるすべてのF型クランプを買った。私のギター作りはこの100円ショップでF型クランプを見つけたことから始まった。

 F型クランプは接着の時の固定にとてもよく使う。さらに、切断したりするときの固定にもよく使う。固定がしっかりできないと、正確な切断などの作業ができない。

いろいろな日曜大工的な仕事でも大活躍である。ビスを打つ時、穴をあけるときなど、クランプでしっかり固定してから作業すると、とても楽にしっかりとできる。片手で固定し片手でドライバなどをもって作業するのは、どうしても精度が落ちる。

C型クランプ

懐の深さとか、いろいろなC型クランプをギター製作では使う。特に、サウンドホールを使って、ブリッジを貼り付ける場合、懐の深いC型クランプがないと、作業できない。


バネクランプ、スプリングクランプ(洗濯ばさみ型のクランプ)

C型やF型のクランプに比べると、固定する力は弱い。それでも、いろいろ固定するのには便利である。うまくいろいろなクランプを使い分けるとよい。アコーステックギターのボディにライニング(補強材)を貼り付けるときには小型のバネクランプがちょうどよい。数がたくさん必要だ。一番はじめにアコーステックギターを作ったときには、ライニングの固定には洗濯ばさみを使った。何もないと作業ができないのに比べれば、ちょっと力は弱いが洗濯ばさみでも何とかはなる。

スプールクランプ

ずっと以前に、アメリカのStwMacから買ったもの。ボディの側板と表板、裏板との固定の時には便利である。当時まとめてでそれほど高くなかったように気がするが、今見ると結構高いなあ。


手作りのクランプ

こういう道具が欲しい、と思ったとき、そういう道具を作ってしまうのも楽しいものである。どういう材料を使って、どういう構造にするかを考えるのも楽しいものである。


荷造りテープ

私は、結構これをいろいろ工夫して使って固定に使っている。工夫すればいろいろなものが使える。

接着剤

普通の木工用ボンドで作っていた。最近はタイトボンドを使っている。フレットを打つ時には、ゼリー状の瞬間接着剤をほんのちょっとつけている。これは、手作りのギター職人さんから教わった。

のこぎり 

木を切るため。使い方のコツは道具の使い方参照。

ノミ 

木を彫るため、削るため。トリマーの後に、ちょっと必要になることも多い。

金槌 

フレットを打つ時にも使えるが、フレット打ちは、プラスチックハンマーのほうが適当だろう。ノミを使う時とかに使う。ちょっと調整したりするときにあると便利かな。あまり使わない。

プラスチックハンマー 

フレット打ちの時には金槌よりこちらの方がよい。

トリマー 

一定の深さに溝を掘る。アタッチメントでサイドを削ったりもできる。特にエレキギターはこれなしでは作れないだろう。エレキギターでは必需品。アコースティックギターではサドルの加工などで使うが、形を工夫したり特別な加工をしないのであれば、トリマーなしでもなんとかなる。アコースティックギターでボディのバインディングやロゼッタではトリマーは必要。でもこれがあるとちょっとした加工などにもとても便利。

ミニルーター(ドレメルなど)

あれば便利。特に、フレットの端の加工など。ドレメルとか高いものは、さらにアタッチメントをつけると小さなトリマー的に使える部分もある。でも、これで、エレキギターのボディを作ることは不可能。ブリッジの加工などには使える。

フレット用ののこぎり(フレットソー)

フレットワイヤーにぴったりあうものが必要。狭くて入らないのも困るし、広くてグスグスも困る。なので、幅がぴったり合いさえすれば特別のフレットソーである必要はないと思うが、なかなかぴったりのものは見つけられない。わたしは、以前に、StwMacでフレットワイヤーと一緒に買った。深さの調節を考えても、これは少し高くても専用のものを買った方がよいように思える。

ほうき、ちりとり、作業着、マスクなど  

特にほうきとちりとりは必需品。

ナイフ、切り出しナイフ(カッターナイフではなく)

ネックを削ったり何かとよく使う。カッターナイフはカッターナイフで使う部分もあるが、カッターナイフでネックの削りなどはできない。替え刃式でも、切り出しナイフは必要。これなしではいろいろな加工ができないだろう。

ヤスリ  紙やすり のこぎりやすり 小さいやすり 大きいやすり  

ともかく、ものすごく使う。100均のいろいろなやすりも使える。フレットの端の加工など、小さなヤスリも必要。高いが、のこぎりやすりはとても便利。作業効率の点から、のこぎりやすりは買っておいた方がよいように思う。

電動ドリル インパクトドライバ  ドリルビット 

いろいろな穴あけはとてもよくする。ドリルドライバは必要。垂直な穴あけが必要なことも多い。ボール盤があると便利だろう。(残念ながら私は持っていないが。)


垂直ドリルスタンド ドリルガイド

垂直な穴あけにあるとよい。ただし、ドリルスタンドが使えないようなもっと狭い場所で垂直な穴あけが必要なこともあるが、それには工夫が必要。


スコヤ さしがね ものさし メジャー 線引き

長さを測って線をひいて、位置を決めて、という作業だらけ。さしがねがないといろいろな作業はとても不便だろう。指板の製作には、スコヤを使う。さしがねでも不可能ではないが、不便。1mの金属製の物差しがあると便利。しっかりと真っすぐな木材があれば、長い物差しはなくても何とかはなる。工夫次第でいろいろなことは何とかなるものだ。


両面テープ、養生テープ、マスキングテープ

両面テープはブリッジなどの加工の時に作業台に固定したりするのに便利。いろいろな固定とか保護に養生テープやマスキングテープがあるとよい。

はんだごて、はんだ、ニッパ、ラジオペンチ、ペンチ、ワイヤストリッパ、レンチ、ボックスレンチ、六角レンチ、ドライバー、

エレキギターでの配線には電気工作で使うような道具が必要。ボックスレンチがあるとエレキギターではとても便利だろう。

配線用の電線、シールド用の導電性のアルミテープ、シールド用の導電性塗料、塗料

エレキギターでは必要。

全ての道具が揃っていなくても工夫次第でギターは作れる。その工夫がまた楽しい。自分なりの道具を作ることも楽しんだりすればよい。


Homeに戻る

自作ギターなど手作り大好きキホーテの部屋

自作ギター、手作りウクレレ、電子回路、ミキサー、Arduinoを使った時計、木工などいろいろ、作ったり、直したり。道具の使い方も。ギター作りなど、手作り大好きキホーテの発想と失敗と反省と教訓と喜びなどの記録。